研究「緑川びの」/生田 稔
しい
つまり
良い人は皆ホームレスになる
可能性がある
善男善女の明日は
ホームレス
もしかすると
誰もがホームレスかも知れない
帰る家が本当にあるのか
一夜の雨を凌ぐ為
魂を誰かに売ってまで
ひとときの安らぎを得ているのは
自分を騙して人を騙して
心から文無しなのは
もしかすると彼らでは無く
わたしたちなの
かも
知れない
良い詩である。心からそう思う。そしして前2作と同じく社会問題を扱っている。ホームレスに対する洞察といったらよいのか、ホームレスの許容、あるいは人心の一新などいろんなことを語りかける詩である。裸のホームレスに対する、自分たちの劣等性も言う。読めばだれでも心を許して近ずいてくる。この辺が彼女を好む人の多い所以である。この詩を読んだ人たちのコメントにもそれが出ている。これからの彼女の詩を決定づけている詩ではなかろうか。同時に一つ言い添えておくことがある、この現代詩フォーラムを企画してくださった管理人さんの徹底した管理法が今日もよく私のこの拙文を助けて下さったことを。
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