フラグについての考察の考察 ?鑑賞について/パンの愛人
ネタとして消費さえしている現実」が、はたして成熟した鑑賞であるかどうかは、やはり疑ってみるべきではないのだろうか。
こうした「恰好の笑い」や「物笑い」がなにに由来するか、私は知らない。あえて推測を述べれば、こういった態度は、一般的な意味での鑑賞とは違って、物語にのめりこまない徹底的なディタッチメントから生ずるものではないのだろうか。
私は、いかにも形式化されたような物語であっても、素直な感動を呼ぶことは可能のはずだと考える。これはなにも、いじわるな唄子さんと違って私は純朴な人間だと言いふらしたいからではなく、それがごく普通だと思うからである。それに、どんな鑑賞者も物語だけを享受すること
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