フラグについての考察の考察 ?鑑賞について/パンの愛人
 
」と「後付けフラグ」になんら違いはないということになる。この辺が、私のいう「定義の曖昧さ」である。

 「適応範囲の曖昧さ」については、たとえば唄子さんは「ミステリの世界にも伏線の上手い作家はたくさんいる(らしい)」としているが、そういう意味ではミステリーほど恰好のネタはないはずである。というのも、ミステリーは1ページを開いた時点で、すでに「殺人フラグ」や「解決フラグ」が立っているのだから。(もっとも、ミステリーは昔から「密室トリックの禁じ手」やらなんやら、いろいろと物語の展開に規則のやかましいジャンルであって、そのために伏線の出来が作品の成否を決することにもなり、その点では年々と洗練されてき
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