フラグについての考察の考察 ?鑑賞について/パンの愛人
 
だと考えるのだ。(ちなみに、唄子さんの議論は全体としてエンターテイメント作品にしか通用しないテイのものである。いわゆる純文学や芸術指向のつよい作品は、こういった「物語の要素」には最初からそれほど拘泥していないからである。)

 ともあれ、アラを探そうといじわるな読みかたをしていても、また、せっかくそのアラを見つけ出したのにもかかわらず、けっきょく感動させられてしまう作品があるとすれば、それこそがそのひとにとって本当に運命的な作品なのであろう。
 しかし、はじめから嘲笑のネタをもとめて作品に取り掛かる姿勢は、最終的に鑑賞の貧困化を招来することになりはしないだろうか?
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