フラグについての考察の考察 ?鑑賞について/パンの愛人
ことなどはありえない。おのおのメディアによって、おのずとそれ相応の付加があるからだ。文学であれば文章のうまさで読ませることもあるし、映画であれば映像美やサウンドトラックなどによって惹きこませることもあるだろう。そのようにして考えてみれば(これは私自身の経験によるものが大きいかもしれないが)、唄子さんのいう「鑑賞」があまりに皮相的なものに終始しているきらいがないとはいえない。どういう意味で、昔に比べても「創作物を鑑賞する」という行為に長けた人たちが増えてきているというのだろう? 私は実証的な考察はできないが、鑑賞に長けた人たちの数は、昔も今もせいぜい横ばいで推移していると見るほうが妥当なように思われ
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