/とわ
 
「あきらめるな」っていうのは君の口癖
「もう、やめた」は僕の口癖

正反対の方向にいる君を僕は
とっても大きな壁だと思うんだ

いつも目の前には君の大きな背中
それを僕はただ見ているだけ

僕はそれでもいいと思ってる
だって、越えろなんて無謀なこと
挑戦するような勇気はちっとも無いんだから

だから僕は
「もう、やめた」
と言って戦線離脱をする



それでもみんなは責めたりなんかしない
「やっぱりな。お前じゃあな…」
とか言って笑うだけ
特に悔しとも思わない
それが幼い頃からの僕だから

そんな僕を見て君はこう言うだろう
「あきらめるな」って

そんなこと言ったって無理だ
何でもできる君と
何もできない僕

それでも君は言い続ける

「あきらめるな」って

半世紀たとうと叶うことがないだろう
それでも言ってみたい
いつか僕が君に

「あきらめるな」って

そして君が僕に

「もう、やめた」

と言うように
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