円錐曲線/Giton
離れもしない!交点は?無限遠、宇宙の水平線!
十年旅して振り返るなら、
ふたりの軌跡は、最初の一時間を丸写しした拡大図。
(双曲線)
そして、あるときは、ふたりの軌跡は決して交わらぬ、
時空の四つの象限に、手足伸ばして根強く探す君の影、
法則のように確実に、ぐんぐん近づくきみとぼく、
それでも決して触れはせぬ、
出会いの定めは、無限の彼方のさらに先!
(収束点)
こうして時空の円錐は、どこで切ってもままならぬ、
それならいっそ、ぼくたちは、螺旋を描いて落下して、
無一物のゼロ点で、やっとふたりはひとつになれる、
――そして、ぼくらは無になった。
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