終点/あおい満月
遠くにもえる空
なにかがやってくる 予感
甘いカフェオレで眠らせたこころに
透明な釘が刺さる
走る列車の軋みに
見送られていく時間
夕暮れの空はどこまでも美しく
わたしを浚っていく
その美しさに 戦慄する
何故だろう
熱い汗が 背中から 這い上がってくる
みえない薬が
ポラロイド写真のように
揺れながら溶けている
水がほしい 新しい薬を
飲み込む水が
列車は無言のまま
目的地に到着する
人々は無言のまま
わたしの願いを
踏襲していく
「自分」に送るメールはどこか
空白で冷たい
また一日が 終わっていく
一篇の詩の一行も
容易くすり抜けて
2009.2.2(Mon)
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