『インサート』/m.qyi
なれば幸いと存じます。
敬具
x月x日
猫の友社 編集長 山村清次郎
「おまえ、これどうすんの。」
「誤字チェックの後、発送。」
「これ、いくらかでるわけ。その書くとさ。」
「言えない。」
「企業機密。言うなって言われてる。」
「俺、思うんだけど、言ってもいい?」
「どうぞ。」
「こんなこと言われたら、『インサート』とかっていう詩かけないんじゃない。」
「。」
「でるもの、でなくなるよ。」
「。」
「美人なわけ。」
「ああ。だから休暇とったの。」
「は。」
「転職サイト見てんの。」
「は。」
「こっちだったらなんかないかなって。」
「みつかったら、おれも引いて。」
「無理。」
「いいじゃん。アルバイトでも。」
「入れるものも、入れなくなっちゃう。」
『インサート』 了
戻る 編 削 Point(2)