Petloss/シリ・カゲル
込み、夫の胸にそっと耳を当て、心臓の鼓動を聞きながら眠りについた。
それから七日間、なつきは午前中に家事をすませ、午後は外国の愛猫家のホームページを眺め、夕飯を作ってから夜は帳簿の整理をするという毎日を繰り返した。八日目にメールの返信が届いた。
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親愛なるなつきへ。遠い所からのメールどうもありがとうございます。
こちらの冬も厳しいです。特に今年の寒さは一段とこたえます。人々は内戦で住み処を無くし、瓦礫の中から使えない家具を見つけてきてはたき火にくべ、わずかな暖をとっています。暖かい下水道で暮らしているみなしごたちも数多くいます。私たち一家はさいわいにも、夫が外交官をして
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