一ヶ月の色と形/エルメス
あれは、冬休み明けくらいのことだっただろうか。
「卒業まであと○日」というありがちな掲示物が、僕の教室にも掲示された。
最初は、あと60日くらいあって、まだまだこんなにあるのか……とぼんやりと思っていたのだけれど、
気付けばそれが半分を切っている。月日の流れって恐ろしい。年をとったわけではないけど。
冬休みが明けてから、時の流れは加速度を増している。僕にはそうとしか思えない。
理由は単純。もうすぐ、卒業してしまうから。もうすぐ、此処には来られなくなるから。
人は変化を嫌がる。慣性の法則は人間の精神にも当てはまる。だから、か。
何かが終わる時、それが幸福なものであればあるほ
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