鳥の便り/
西尾
明日 でかけよう
あの人の街へ
もう冬が終わるからでなく
もう春が来るからでもなく
心揺さぶるものにしたがい
わずかな荷物で乗り込もう
鳥の名前の列車
舞いこんだ 白い手紙は
冬の終わりでもなく
春の便りでもない
ぼくの胸の鼓動も
かすかな希望も
背負った不安も
銀色の巨体にのみこまれてしまおう
鳥のようになれるだろうか
突き刺さる残冬の風に
目をとじずに行けるだろうか
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