影/
しべ
昼の3時の仏間の広さに
蜘蛛の煙が溺れてる
橙で
とてもきれい
畳と繋がる線の香
ゆっくり膝が曲がったら
崩れた鼻腔で灰を呑むよ
外をごらん
四音の空色たゆたって
枯れ枝ですら埋もれてる
割れた水滴
カラカラまわる葉
襖の中で小さくなる
人肌ほどの暖かい胸
橙の針がゆっくりと落ちた
軌跡を擦る日は
とても静か
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