透明宣言/あおば
補強工事の痕を目で確認する
下道専用車たちは
道路拡張の恩恵を受けるのと引き替えに失う笑い声の絶えた児童公園の滑り台
ブランコを揺らす風のモードを示す旋風の消失した指標を読み取る視力の喪失を補うみたらし団子に群がる黒々とした背中をおぼろげな冬の日差しが穏やかに微笑む錯覚の意識を振り払いながらながらスーパーマーケットの精算を済ませ
歩道橋を渡り
人通りのない階段道を上り
高級住宅の裏側に続く抜け道を歩く
いつまでも続く錯覚に怯え
腹が空いたと笑う
ハーモニカのような口元が
なんでも食べられますと
素朴な人間のような顔をする
リンチに向かう河原から立ちのぼる分別不能な含み笑いに怯える焼却炉への白っぽい裏通り
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