秒針/三上山一己
 
のこぎり色した君の眼と白い服のコントラスト
 
振り落とされた灰皿 どす黒い赤の色がついた

カタリカタリと秒針が僕の処に近づいてくる


鬱屈とした少年期のヒエラルキーへの苛立ちが

近くの大人に向けられて子供だけの世界ができる

まっさらな画用紙に僕は何の絵を描こうか

隣の家のおちびさんは首つりピエロの絵を描いた

用意されるはずの色鉛筆 届かない届かない

端から黒で塗りつぶす

秒針が近づいてくる


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