正当化された差別/エルメス
「誰とでも分け隔てなく接し、皆に優しくして、皆で仲良くしましょう」
……それが、小さい頃の正義だった。
嘘であるなどと疑うことすら知らなかった、あの頃の。
先生の言葉は絶対的に正しい。否、大人が間違ったことを言うわけがない、と妙に純朴に信じていた。
……だが、それは嘘だった。分け隔てなく接するなんて、差別しないのと等しい。
差別しないということは、全ての対象を等しく見ることであり、そんなことは不可能だ。
差別はいけないこと。現在の教育。これは間違いだ。
人間が人間を差別することによって、友達ができる。尊敬する人が
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