ひとのきかん/紫音
 
発せよ記せよ ことば ことば ことば
口唇のぬめりを 指先のしなりを 以って

意識の解体が世界を懐胎し 生れ落ちた ことば

語れよ残せよ ことば ことば ことば
眼球の視矢を 土踏まずを 以って

人 ひと 一 再編し再生し 育ち熟れた ことば


聳え立つ摩天楼の揺らぎに
影を添える月に似て
詩は人の器官として世界を捉え
鏡面として映す

神経の高速道を神速で飛ばし駆け巡り
温泉のゲルマニウムに身体が浸かり湯巡り
あらゆる事象を切り取り
現前へと移す

生と死の対角線上に線分を引き
聖と詩を二分する等分を探し
机上の天地創造はまた
人の期間の有
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