笹田さんの詩のこと/イダヅカマコト
 

溶かして巨大な塊にして
こしらえたベッドで眠るんだ
窓辺のジェリーフィッシュ眺めながら

音楽の箱にリボンをかけて
決して開かないようにしても
いつしか音楽で満ちるんだ
このろくでもない 愛しい世界は

同じように言葉で満ちるんだ
蛍光色のジェリーフィッシュ
ただ漂って 揺らめいて
いつしか唯一の存在になる

舐めても舐めてもなくならない
不思議な魔法のキャンディーみたいな
読んでも読んでも終わらない
とびきり上等の物語みたいな


音楽で満ちる心と世界。言葉でみちる心と世界。
心の中で完結する世界の中で、揺らめきながら
「唯一の存在」になる「ジェ
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