プレゼントと魔法について、徒然。/R
大人になることは
プレゼントの箱をひとつひとつ開けていく行為に似ていると思う。
箱の中には沢山の選択肢が入っていて、
箱を開けたらその途端に選択肢は一つになってしまう。
プレゼントは開ける前、
王様の冠にも魔法使いの箒にもなるけれど。
ひとつ開けるごとに私たちは選んで、
なれるものが限られていく。
魔法が使えなくなっていく。
全部のプレゼントを開けた後、
がっかりするかにっこりするかは
いくつ選択肢を思い描いて魔法に向かって努力したか。
初雪が睫毛にかかったり、
階段の冷たい踊り場の匂い、
帰路途中の煙るようなセンチメ
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