手紙/依
君は気づいてくれるだろうか
僕からの手紙に
あの時
僕はただの物質でしかなかった
溢れ出てくるこの地球の
力場に漂う熱量のようなもの
雨粒や、命
何もかもが
無意識のなかで創られていき
光あれ、と呟いてはみたけれど
それでも僕はただの物質だった
でも
「信じる」
そう聴こえた時から
たぶん僕は産まれたのだと思う
時空間は
電子や素粒子、あるいは概念
そういうものに対して
絶対的な想像力で超越していく
それは君がもつひとつの精神の働きであり、
僕からのささやかな贈り物でもある
とにかく、そう、
「
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