試験中の情事/木屋 亞万
 
になると、その生徒が消化した排泄物を、教師はうれしそうにチェックし採点するのだ。つまり、試験は排泄物なのだ。ということは、今みんなは全力でうんこをしている(比喩的に言えば)。45分かけて、満点のうんこを目指して気張っているのだ。この日のために一週間をかけて、あるいは一夜漬けをして、食べたものを綺麗さっぱり排泄することに一生懸命になっている。

そうか、試験は糞便学(スカトロジー)に通じるものがあるのだ。そう思うと、鉛筆がカリカリと机を走るのが、排泄時の音に聞こえ始める。皆が机に向かっているのか、便器に向かっているのかわからなくなる。排泄と性交どちらが大切かと聞かれたら、私は排泄であるので、やは
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