カモメ/K.SATO
かじかむの夜のすみっこで
たき火を思う指に皮を抱く
ひざが指だった
氷のような でも 押さえていた
僕は幹を見た
未来に青むプラスチックに
僕を霞の僕に作りあげようとした でも
すべてがその瞼でしかも物も透明で
望むガラス窓の向こうにある
流れていく夢に映っていた
皮をかじって生きた人は
この地の前で瞳に石の面を残し
リンゴを削りだした川を逝く
見る人のその名前となる
いくつもの動く上の遠く
海の指先にはカモメが浜の中
何かを朝焼けにつかまえたい
目は でもゆっくりとカラスを見ている
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