少年兵ノ絵 〜 異人館にて ? 〜/
服部 剛
少年兵は、往かねばならない。
夜の荒野を独り
俯く黒い馬に跨(またが)って
碧(あお)い軍服を身に纏い
黒帽子の羽を靡(なび)かせて
日々の戦で亡き友の
戻らぬ命を弔う為に
日々の戦を越えた場所で
彼を待つ人々に会う為に
黒い馬に跨る少年兵は
頬に暗い影の差す
顔を上げる
この世界の荒野を
瞳に宿る光で
全ての怒りを貫くように
号令を叫び、鞭を打つ。
夜の荒野の彼方へ
黒馬の足音、駆けて往く
戻る
編
削
Point
(1)