少年兵ノ絵 〜 異人館にて ? 〜/服部 剛
 
少年兵は、往かねばならない。 
夜の荒野を独り 
俯く黒い馬に跨(またが)って 
碧(あお)い軍服を身に纏い 
黒帽子の羽を靡(なび)かせて 

日々の戦で亡き友の 
戻らぬ命を弔う為に

日々の戦を越えた場所で 
彼を待つ人々に会う為に

黒い馬に跨る少年兵は  
頬に暗い影の差す 
顔を上げる 

この世界の荒野を 
瞳に宿る光で
全ての怒りを貫くように 
号令を叫び、鞭を打つ。 

夜の荒野の彼方へ

黒馬の足音、駆けて往く 




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