喫茶店の休日/K.SATO
 
海辺のテラスでページがなびく
カプチーノがテーブルクロスの白さに
苦い 指のまわりに 未来を 
しっとりと抱いて重ねた砂糖

ショートケーキが運ばれてくる
そこに フォークを刺すと 汁がつく
赤いイチゴが乗った 形は
くすむ 小さな先っぽの黄緑で

カップを放して手をつくと
立った出口で会計をする でも にこやかに
3000円の表示が映し出された モニターの
午後の ひとときだった

ついたため息が 茜色の駐車場
車のキーを回すとアクセルが回転
ざらざらした小石が混じっている浜辺を
僕は 踏んだエンジンで飲み込んでいく

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