敬愛する遠藤周作先生への手紙 〜神戸旅行記〜 /服部 剛
感じながら、参拝客と屋台で賑わう湊川神社前を通り、元旦の晴れた空の下、神戸港に向かって歩きました。
神戸港は僕にとって特別な場所であり、五年前の旅の途中で港のポートタワー内にある展望台に上り、六甲山の麓に広がる街並を眺めながら、震災から復興した神戸の人々の決意が伝わり、この胸の奥から生きる勇気が湧いて来たことを今も時々思い出すのです。その旅情を思い出す為に、僕はあの旅の日以来、久しぶりに訪れる神戸港へと歩きました。胸の内で密かに、春頃に出る予定の僕の詩集「 Familia 」が、一人ひとりの読者のこころに消えぬ灯のような、贈り物になることを希(ねが)いながら。
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