シリウスの瞳 /服部 剛
 
六甲山頂にある 
Cafeの窓辺に 
限りなく優しい夕陽が
射している 

すすき等は旅人の僕に 
音の無い
親しげな合唱を奏でる 

夕暮れのセピアを帯びた
窓の鏡に薄っすら映る 
頬に影差す自画像よ

お前の瞳はまだ 
死ぬこと無く
シリウスの星を
宿している 




戻る   Point(1)