日々、感じよ/フクロネヅミ
 

 テーブルの日に焼けた部分は
 いつもそこだけ聖母のような印象をたたえている


 去年飼ってた金魚を地面に埋めた
 そこに植えた金魚草が花をつけた
 でも、あの愛らしさはひとかけらも染ってやいやしない
 私の金魚を吸い上げても
 けして生まれ変わりやしてくれない

 怠慢な私のようやく学んだ現実 
おかえり、は無い。過去には。


 そろそろ老いる親
 近くにいない私
 まずは淋しいと感じよう
 この変な確信を持った安心を
 今日全て 壊して
 たった二人しかいない自分の親だと
 今感じる淋しさの中に
 何よりも強く愛しさを見いだそうではないか

骨とは話せないのだ。抱き合うこともない。


 ぼんやり過ごすからだ
 当たり前だと思い込むからだ

ちくりともしないまま
なくす物は多い。そんなことばかりだ。


 ダイレクトメールに埋もれて
 電話が鳴っている


もしもし。
もしもし。



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