ひなたへ/長谷川智子
来なくてもいいのに勝手に来たあいつ
まるで私をあざ笑うかのように
あの日あの時あの場所に
あいつらのもとに
現れなきゃ
見なくて済んだ
知らずに済んだ
どこか別のところで笑って暮せてた
そんな気がする
目でものが見えるころからあった おろかなひずみ
とても憎らしい
わだかまるムカツキ
居座る愚かさ
まだ くすぶる
小さな木の家には ほかの人もいた
でもゆるやかによくつながるための
きずなを育てられるくらいに充分なお日さまも肥料も土もなかった
かれらはいつもどこかうつろでひんやりとした風を吹かせていたことを憶えている
そして私もうつろ
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