花とゴミ屑 /服部 剛
 
行き場を失った恋心は 
深夜の丁寧な掃除夫の持つ 
箒(ほうき)と塵取(ちりとり)によって 
ゴミ袋へ、葬られる。 

その美しさでこの目を晦(くら)ませては 
いつだって手を伸ばせば 
すぅっと姿を消してしまう 
花というのは、残酷だ。

クリスマスの夜 
窓辺の空に煌く星をふと見上げ 
独りあることにじっと唇を結んで 
深夜の苦い、Cafeを啜(すす)る。 



 
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