スワロフスキーの夜/エスエル1200
 
の前のご馳走に心を奪われそれどころではないという感じだ。
水星人はナイフの使えないスノウマンに“火星人”を切り分けてお皿に取り分けている。
すぐに「うまいねえ!」「おいしいわ!」と皆から絶賛の声が上がった。
味も歯ごたえもやはり“タコ”そのものだ。
皆は15分近く“タコ”に夢中になっていたが、土星人がふと思いついたように口を開いた。
「ところでね、なぜその日にそんなことをしたいのかが甚だ疑問なのだけれど。」
「そうそう、地球人のどなたかがお生まれになった日なんでしたっけ。」金星の婦人が続けた。
「でもとうの昔に亡くなられていると伺っていますけれど。」
僕は口元に手を当て、少しだけ考
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