心の難解さへと向かう試み/岡部淳太郎
 
るか、作者が自らの心に深く踏みこみえているかどうかといったところにあるだろう。「自らを救うための手段として詩を書く」のならば、もっと心の難解さへ接近しなければならない。表面をなぞって事足れりとするのならば、書き手が求めている真の「救い」は得られないだろう。それでは結局のところ、詩のかたちを借りた言語遊戯に加担してしまうだけのことだ。心の難解さへと真剣に向かっていく試みを、詩の書き手はつづけていくべきではないだろうか。



(二〇〇八年十二月)
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