心の難解さへと向かう試み/岡部淳太郎
詩を書くことが、それぞれの書き手にとってどんな意味を持つのか。それは個人によって様々であるだろうが、おそらく書くことが自らにとっての救いになりうると感じている書き手が多く存在するものと思われる。書くことが自己実現がかたちを変えたものと見做すならばそれも当然であり、日頃の生活でやり切れない思いを抱えている個人がその満たされない思いを創作にぶつけるというのは、もっともわかりやすい書き手への道としてあるだろう。そこを出発点としてどのような方向に向かうかはそれぞれの書き手次第ではあるものの、出発点がそこにあったという認識だけは揺らぐことなくそれぞれが持ちつづけていくであろうと思われる。
ひと口に詩と
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