よだれ/K.SATO
 

昼 僕は文字を書く
ふわり 机に語を浮かべては
僕が やっと詩を書けたかのように笑ってた
書けず 眠っていく宙のペン

二人は歩くノートに
会った人たちに 風に流れていく でも
一つになった体でいても 忘れ去っていくわけで
街の 微かな 文字の並びで

落ちていた よだれに微笑む

エベレストなホテルの
窓辺は 忘れかけたことを近くにしている
けれど 戻ってきた氷に眠る日々
底の息巻く ブルー
手や顔の男と女は 頂に

ノートの角に 目を閉じて
君は詩を書いた
光に 憧れを見いだそうとしていた
僕の名を書かなかった
いつしか 人の笑顔にとりとめもなく
僕は詩を書かなかった

君の名を書いた

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