無限の零/渡辺亘
 
絶望や虚無が存在するように
希望も存在する

それは確かに存在する
否定しても
否定しても
萌えいずる双葉のように
それはしっかりと根差し
生長する

むしろ
希望は
絶望を糧として
生長する
踏まれても
踏まれても
それは生長する
希望は強靭
絶望と同じように
それらに引き裂かれながら
生きる人間とは
なんと尊厳
それは白金の
眼も眩む閃光
光と闇は交互に交差し
やがて
無限の零に近づいていく
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