もう一人の私 /服部 剛
 
ふと立ち止まり 
足元の小石をみつめる 

ふりそそぐ 
日射しを仰いで立つ石は 
道の上に  
傾いた影を映して 
立っていた 

(私は一人じゃないかもしれぬ・・・) 

日向の道に映る 
私の影も 
気づけばすでに 
眼下で共に歩いていた 

「もう一人の私」が 
瞳の無い影の顔で 
地面から 
いつも私を視ている 




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