書くこと、まどろむこと、決めること/渡邉建志
 
く削り起こすということを要求してくるように、思われる。


*


まだ存在していない音楽を聴き、まだ存在していない詩を読んで、曖昧模糊とした、でもとても素敵な感想を持ったような気分で、わたしは生きつづけている。
その感想のもとになったはずの作品のようなものを、わたしは遡って作ろうとするのだが、抱いた「感想」に見合うだけの作品を作れたことがない。
でも本来、創作活動とは、作られた後の副産物(富や名声なども含め)をきっかけに作られるものではないはずで、書かずにいられなくて書くとか、もっと、
自分の生きるという衝動に近い場所から湧き上がるはずではないかと思う。

わたしはきっと
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