ヒカリ/
さとう 星子
もう、だめかと思っている
汚いところを見すぎて
もう、だめかと思っている
夢なんて幻みたいなもの
窓から降ってくる雪を
なんの情緒もなく見ている
ただの「白い結晶の塊」を
絶え間なく続く暗黒の現実が胸を突き刺そうとも
どうすることもできず
ただ
じっとしているだけ
窓を開けて
雪を握りしめた
思う以上に
冷たかった
思う以上に
冷たかった
もう一度
この世界を
好きになりたいと思った
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