似て非なるモノ/愛心
 

独りぼっちの部屋



冷たくなった指先は

よく動かない


ふと
甘い空気が欲しくなって

厭に重いカーテンをひくと

氷の窓ガラスに映る



真っ白な光



蛍光灯か
向かいの街灯か
はたまたペンライトか


触れることはないと

頭で分かっていても

触れたくなった



けして
暖かさは感じない


ただ

それ故なのか

とても惹きつけられて



嗚呼
この感じ

似ている

どうしようもなく
我慢が出来ない感じ

理由も意味もなく
本能が欲する感覚


そう

あの人を想うとき



とてもよく似ている
[グループ]
戻る   Point(4)