サンタクロースの白い袋 /服部 剛
来るのを抑えながら
お揃いのジャンパーを着て
店の外へ出てゆく
三人の後ろ姿を見送る
( いつまで気ままに独り身で
( ふらふらやっているのやら・・・
店内に流れる
ホワイトクリスマスを背に
店の外に出れば
北風に思わず肩をすぼめる
丘の上を見上げれば
夜闇に輝く夢の家に
赤と緑の電球文字で点滅する
「 Merry christ'mas 」
二十二年前の教室にいた
無邪気な僕を
あの日のままの
大きいふたつの瞳で見るような
同級生の優しいまなざしを
懐(ふところ)にしまって僕は往(ゆ)く
思い出をいっぱい詰め込んだ
白い袋を背負う
サンタクロースの面影が
遠くで朧(おぼろ)に光る
クリスマス前の夜道を
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