永遠/アンテ
 

                  「メリーゴーラウンド」 2

  永遠

きりーつ れーい
間延びした声で
教室の空気がとつぜん生き返る
窓のそとをぼんやり見ていると
クラスメートに肩を叩かれた
とっさに名前が出てこない
編んだ髪がぜんぜん似合わない子だったっけ
たしか
ずいぶん短く切ったのね
って言ったら笑われた

昔読んだ童話かなにかにでてきた言葉
「小さなころは、
 楽しいことが永遠に続いても楽しいと思っていたのです」
もしもそれが真実なら
大人になんかなりたくないと思った
そう たぶんわたしは
永遠に楽しいと感じることを確かめるために

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