ちょうのはかなげに・・・/かぜきり
 
そのまま に そのまま で
手はそこに あった
そのまま に そのまま で
足はそこに あった
白い殻の向こう のすぽんじ物質
ちょっといいにおいがして
はしでつまんであげて・・・
かさり   

とおとした。

なみだはとまらなかった
きのうもとまらなかった
きょうもとまらないだろう

そのまま に そのまま で
髪はそこに あった
そのまま に そのまま で
唇はそこに あった
こっそりひかれた紅
そっとなでつける白髪

触らないぼくだったけど
 ただ
    ただ

ありがとうだけが


かさなる ことば



こんどあうときも
めがねははずしてゆきます
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