文で人に喜んでもらう/K.SATO
いては張り合わせ、書きつづっていく。風景とモニタの文とを内側で照合した改行をカタカタ、リズミカルに繰り返し、時に述べた文を省みてはまた改行ボタンを押し下げる。地道な意識の継続よって全体は脈絡なくも、フェリーに入る駐車場の車が並んだ脈絡をなしていって並びだし、終着地点では理性と呼べる確かさを構築するのだ、と信じてはまた改行。小さなスキルの断片たちが底面からうっすらと見えるほどになり、積み重なっては山となり、さらされた団子のように固まることによって卑小な自分は人の役に立っていく存在になることだろう。そしてペンの運びは軽やかさをますだろう、多くの人たちの喜びによってこのしがない生活も少しは楽になることだろうと、信じている。
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