濡れる/光井 新
思うところ
わたしにとって
手は、わたしの手
いつからか、この白い手が
小さいと知ったのは
知らなかった
やわらかな
ピンク色の
教えてくれた
血が通う
あんなにも
眩しかった
(キえた
白熱灯の下の
ちいさな
わたしの)
浮かぶ、この海に
溶けた海月
見えないけれど、きっとピンク色で
見ていたのではなくて
ふわり
見られていた
キレイだねって言われて
今までのは、ニュートラル
に
未練は無い
それはわたしにとって
わたしの腕とは違う
確かな力強さ
に
しがみついていたくて
生命の
存在している様な
広いあの人は
ふりほどいた
煙の中に消えて
今はもう
歯車のズレた幽霊
など、と
頭を使うのは、やはり苦手で。
身体を使いたいよ
綺麗だったね
一人で冬の海を眺める、この季節は24時間入れない。ながらも
しかし、たられば
酔ってるのかにゃ?
波が、だけど。
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