三猿模写/田島オスカー
 

嘘に慣れた舌が
また赤くなってゆく


おちてゆく前に爪先で転がして
耳など本当は一つも無いというのに
誰の声を掠めてゆくための器官になるのだろうね

ねえあなた

おちてゆく前に指先で払い落として
爪など本当は色も付かないままだというのに
誰の声が喜んで響いてくれるのだろうね

ねえあなた


嘘に慣れた舌が
また赤くなってゆく

耳など本当は一つも無いというのに
誰の声を掠めてゆくための器官になるのだろうね


 
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