明星/根岸 薫
 
あかるくなった
校庭の
真ん中で
ともは
膝をむきだしにして
そのあかくなったところに
悲しみをまぶして
いました

夢ではない

山に登り
芯の太さが、花が
格調高く
ひらいた。
高山病の人については
ほぼ自動的にもだえて
のち
便りが途絶えた

その二時間前
わたしは
暗い洋間で
半時ほど続けて
単位を忘れていた。
いっぷんごとに
ひとりずつきえた。

「だから
言ったろう、
おまえにわたしを
差し込むたびに
夜になるのだと。」
隣の人を
気の毒におもい
且つ
知識のある場合に限り
くちびるであいする
ひとりでもあいす
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