ポエムのこと/白井明大
 
ナーの同行者が現地の新聞記者と名刺交換をすることになり、隣りに居合わせた私もとりあえずとあいさつの名刺交換をする。
私「どうも、白井です」
デザイナー「彼は詩人なんですよ」
記者「え・・あ、詩人、ですか・・」

こうした「・・」に含まれる複雑な重いあるいは軽い沈黙をどう受け止めるかによって、時に詩人は詩人ですと名乗ることにためらいをおぼえるのかもしれません。ですが、こうしたことは決して旅行先のイレギュラーなできごとではなく、日々隣り合わせなのだろうと思います。


あるとき神楽坂で飲み会をすることになり、その場で初顔合わせのカメラマンとやはり自己紹介し合うことになりました。

[次のページ]
戻る   Point(25)