ループ2/十重山ハルノ
り添うように
絡み合い捻じれ合い結ばれ合い
幾重にも巻かれ合い巻かれ合いする内に
やがて一つの球体になった。
僕と彼女は幾重にも丸まりながら
僕らを突き破って
やがて生まれ来る生命の名前を話し合った。
そうして残されたのは
彼女が僕で編んでいた小さな靴下と
僕の残りと彼女でできた小さな球体で
飼猫は使命感のように
それらの傍を離れようとはしなかった。
何ヵ月後か何年後か
何世紀後かは分からないけれど
あらゆるものが次々とほどけだして
紡ぎ合い紡ぎ合い
巻かれ合い巻かれ合い
世界が再び大きな球体として再生する
まどろみの中で僕たちは
そんな夢を見ながら
僕たちを突き破る音を確かに聞いた
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