ループ2/十重山ハルノ
人差し指を見ると
縫い糸くらいの細さで
僕はほどけだしていた。
放っておくと
どんどんほどけてゆくものだから
程の良い長さになったところで
少し結って飼猫と一緒になわとびをした
その頃にはもう手首くらいまで無かった。
まだまだほどけてゆくのを見て
彼女がマフラーを編んであげると言った
冬は近いしそれはありがたいとも思ったが
それが出来上がる頃に
僕の首は無いだろうからと丁重に断った。
ほどなくして彼女も
髪の毛の延長のように頭からほどけだし
飼猫はその様子を眺めながら
不思議そうに肉球を舐めていた。
ほどけだした先から僕らは
どちらともなく寄り添
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)