心/K.SATO
胸を揉んでは中腹に滑っていき窪みに座って落ち着いた
すこしばかり汗が湿りにこすれたような塩たちの盆地を
また進んでいくくすんだクレバスに気をつけながら丘また丘
だが噴出する汗は毒か指紋は全くいうことをきかなくなり
ああ欲制きかないスピードになっていく小山もエベレスト山頂も凌駕
今すぎていくまっ黒い繁み付近 運河s字カーブをかすめ
腕はシャフトのようにぐるりと回転してくるがかいくぐって
ヒザがそばから起き上がってくるのもくるぶしでやさしく押さえ
かわいい容姿の小さな唇へとタイヤを出し 手は着陸態勢に入り降りていってしまった
赤くたわんだ
色の唇は
たらこ 指先
餅
刻まれたカサつきは
冬のせいか
それとも感情の先か
それ を知ることの僕は
関係つまんない
冷めていくわ君が言う から
街に出ようか
手袋の恋や
薄手のコートを合わせた恋に
落ち葉に挟まれた虫となり
君と僕
ただ心の鼓動を聴いているかのようにして
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