悩みの意味が解らない/松本 卓也
も嗅ぐ暇もないまま冬の風音を迎えて
朽ちていく老いていく取り残されていく
ただただ打ちひしがれながら
誰をも受け入れようとしない人影は
夕暮れを背中に刻むことしかできないでいる
交差点に手向けられた花束を眺めながら
散るべきはこの無意味に年輪を重ねるだけの
他愛も無い存在だったではないのかい?
自分勝手だと笑われて
世界が狭いと嘲られ
固定観念に囚われてなお
孤独を選択している不可解さ
それぞれの中に当てはまりたくない訳じゃなく
ただそう在りたい等と気取りたい訳でもなく
意味は多分誰よりも僕が欲しているつもり
ただただ知って欲しいと願うのは
それほど贅沢な悩みかなぁ・・・
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